9月某日
知り合いのお家に泊まり(図々しくロハ宿、お土産にちょっとしたお菓子は置いていきました)、本格的に野生動物ウォッチを始めた道東取材旅行2日目
この日は、羅臼の知床らうすリンクル(株)さんの知床岬ヒグマボートクルーズに参加することにしました。
同社が催行するクルーズは、9月の間だけ朝5時からの早朝便を運行していますので、今回はこちらに乗船して熊を撮影することにしました。
これに乗るべく早朝車を走らせることにしたのですが、お知り合い宅(泊)は斜里町、よって出発は午前2時前となりました。
真っ暗の中、車を走らせウトロ市外へ入りコンビニで激早朝ご飯を頂こうと思いましたが、コロナ禍の影響が尾を引いているのかコンビニは全て深夜は営業しておらず、結局、キシリトールガムを永遠ともぐもぐして車を走らせます。
時刻は2時半、知床横断道路に入り国立公園の奥深へ進むと、そこかしこに鹿鹿鹿。
ビビるほどデカい雄鹿が道路の真ん中に鎮座していたり、茂みにいたりとビクビクしながら車を走らせ、やっとのこと4時過ぎに羅臼は相泊漁港に到着しました。
同じ知床エリアじゃん!とか思っていたので軽く後悔しました。道の駅で仮眠とって待機したらよかった・・・。
そして受付を済ませて即乗船。
クマ・・・痩せてない?
隣のおっちゃんいわく、今年は山に餌があまりないらしく(そして鹿が食い荒らしているらしく)痩せたというか、痩せこけた個体が相当多いらしいです。それと個体数も保護保全の影響か、ヒグマの数も増えているらしく。
ヒグマを見ることの出来た感動はもちろんあったのですが、同時に考えさせられました。
朝露で濡れたのか、羽を広げたり片足で立ったりしているオジロワシが岩の上にたたずんでいました。
ガチピン来てなくて、惜しかったです。船上から800ミリ手持ちは、凪でも結構辛かった。
先に目をやると、先ほどの個体とはまた違うクマ。
こちらも以前見られたようなマッシブな面影はありませんでした。
秋のヒグマにしては痩せた姿がなんとも言えません。知床半島での食糧事情は思ったよりも深刻なのかもしれません。
餌を求め、岩場をさまよいつつもこちらをチラチラ気にする熊の姿を見ることが出来ました。ここが地続きなら、私も腹に収まっていたかもしれません。
更に船が奥地へ進むと、海岸に海藻が大量に打ち上がっているポイントがありました。
そこにもまた一頭の熊が。
どうやら岩の下や、海藻の下にいる虫を食べているようでした。
元々雑食とは聞いていましたが、流石に虫だけでは腹もなかなか膨れないのか、こちらには目もくれずひたすら石や海藻を掘り、虫などを食べているようでした。
残念ながら、ぶりんぶりんのシャケを加えているような写真を撮ることは出来ませんでしたが、間近に沢山のクマを見られて感動もひとしおでした。
しかし、同時に世界自然遺産知床で何が起こっているのか、気になった一日でもありました。
朝10時前に相泊港に戻り、ちょっと港で仮眠して斜里へ戻るのでした。
つづく。